こんにちは。鈴木です。
我々セレクトショップの販売員は、ただ物を仕入れて売るだけでなく、作り手の意図や伝えたいことをしっかりとお客様に伝えることが必要だと考えています。
価値がある物よりも、意味のある物。個人的にはそこがすごく大事で、今後はもっと、商品紹介ベースの記事ではなく、展示会やデザイナーの話を聞いて体験談や感じたことなど、チャットGPTに聞いても教えてくれないようなことを書いていきたいと思います。
今回は、当店取り扱いブランドO-(オー)のルックの中の、誰も注目しないであろうある部分にまずは注目をしていただきたい。。


O-のデザイナーが偶然出逢った木製のおもちゃ。
コンタックみたいな形状の小さいカプセルを器用に動かして、ゴールまで導くというレトロでハンドクラフト感満載のおもちゃです。
展示会場には同メーカーから作られたたくさんの種類の物が並べてあり、色々と挑戦しましたがこれが非常に難しい。
昔のファミコンゲームみたいに一つのミスでリセットされ、単純で簡単そうで難易度が高く、けれども夢中になれる、あの感じのおもちゃです。
デザイナーがこのおもちゃに惹かれた理由は、カクカク動くカプセルの動き方的にカプセル内に磁石を仕込んだおもちゃだと思ったから。
そう、O-といえば磁石を使ったプロダクトがブランドのアイデンティティでもあり、おそらくシンパシー的な物を感じたのだと思います。
実際にはこの動きの正体は磁石でなく、球体の重りの移動で動くとかだったと思いますが、それでもこのおもちゃを気に入ったデザイナーは製造元を探し出しましたが、残念なことに既に廃業。
廃業の理由は、C国企業によるコピー品の大量生産、大量流通。
何十種類も時間をかけて生み出されたハンドメイドの製品を、片っ端からコピーされ、工場のライン生産によるプラスチック製の安価な物として販売。
安価なコピー品の国内流通により、コストや時間をかけて作られたオリジナルは売れなくなり、結果的に廃業に至ってしまったとのことです。
コピー品がオリジナルをころす。ころすまではいかなくとも、コピー品の流通はアパレル業界においてもあるあるで、特に近年サンプリングとコピー(パクリ)の分別が付いていないような、そんな問題が多々あるように感じます。(オリジナリティ要素が一つもない、サンプル元のただの劣化版がパクリです。)

“Kill All Copies”
コピー品に対してカウンターを食らわせてやりたいという気負い。
このストレートで強めなメッセージが何を意味するかは、この記事を読んでいただいた方には理解いただけたかと。
ただ、あまりにもメッセージ性(使用しているワード)が強いため、文字のフォントをハリボー風にしてポップにしているのがセンスと遊び心。
文字の下のカプセルデザインの刺繍も、グミのように見えます。

間違いなくコピー品がなくなることはないですし、一般人でも簡単に色んなツールで物が作れてしまう時代だからこそ、パクリみたいな物の産業はむしろ加速していくでしょう。
一人でも多くの方が”Kill All Copies”の信念を抱いてくれますように。
